Uターン転職を考えたきっかけや理由をはっきりと言葉にすることができるでしょうか。
Uターン転職の理由が明確に伝えられないと、家族に説明するときや企業との面接が始まったときなど、相手に理解してもらえず、転職がうまくいかない可能性もあります。
そのため、転職を考えたきっかけが漠然と生まれ育った地に戻って働きたいと思った場合でも、その奥深くにある理由に目を向けて、Uターン転職活動を進めていく必要があります。
そこで今回は、一般的にUターン転職に至ったきっかけとしてどのような理由が挙げられるかをご紹介します。これを参考に、自分の場合はどのようなきっかけがあるのかを考え、Uターン転職を成功に導きましょう。
Uターン転職のきっかけは2つに分けられる
Uターン転職のきっかけはたくさんありますが、大きく2つに分けることができます。1つは、地元に戻る「Uターンすること」が目的になっている場合で、もう1つは、仕事・職場を変える「転職すること」が目的になっている場合です。
「Uターンすること」が主目的
現在働いている職場や仕事内容に対して不満はないものの、親の介護や育児環境の見直しといった家族の事情で地元に帰らなければならないなど、Uターンすることそのものが目的となっているパターンです。
「転職すること」が主目的
仕事などの現状に不満があり、状況を改善するために転職を考えている方が、その選択肢の中でUターンも候補に入れるケースがあります。そのような場合は、まずは転職することが主な目的となります。
Uターン転職で多いきっかけや理由
前述の通り、大きく2つに分けられるUターン転職の理由ですが、それぞれ具体的なきっかけや理由をみていきましょう。
「Uターンすること」が主目的。その具体例とは
支出を減らして生活に余裕をもたせる
都会と地方で同じ年収を得ていると仮定した場合、手元に残るお金に差が出てきます。首都圏と地元では、「生活にかかる金額=支出」が異なるからです。
もっとも大きな支出は住居費と食費ではないでしょうか。「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」(※1)によると、部屋数3の一般的なファミリー向け物件賃料は、東京都92,775円、岩手県61,785円と、30,000円以上の差があります。
また食品や日用品の価格は日本全国どこでも同じですが、外食代は大きな差があります。Uターン経験者からは、都会では5,000円以上払っていたような食事でも、地元では3,000円前後で同水準以上の美味しいものが楽しめるとの声を聞きます。
地方への転職は年収が下がってしまうイメージがあるかもしれません。しかし、首都圏などでの経験を買われ、前職と同水準以上の給与を手にする方も多くいます。そうなった場合、自然と支出を抑えながら楽しく余裕のある生活を送ることができ、さらに手元に残るお金も増えるということで、Uターンを視野に入れる方もいます。
地元で持ち家を購入したい
地方で広い敷地に一戸建てという環境で育った方の中には、自分もいずれは同じような家を持ち、家族と暮らしたいと考える方も多くいます。
ただ都心で家を購入するとなると、地方の何倍もの土地代を払わなければならず、理想の家を手にするのはなかなか困難です。
持ち家の夢をどうしても叶えたい場合、首都圏よりも比較的手の届きやすい地元に目を向けざるを得ず、その結果Uターン転職を決意することになります。
都会の雰囲気や文化が合わない
「都会は冷たい」などと言われるように、都心部ではどこか人と人との間に距離があり、親しくなれないと感じている方もいます。
生まれ育ってきた場所が、ご近所で仲がよく、助け合って生活するのが当たり前という環境だった方は、故郷を恋しく思う気持ちからUターンを考え始めるようです。
都会の人の多さが苦手
都会では平日、休日に関わらず、常にどこでも人が大勢いるものです。買い物に行く近所のスーパーでさえ、地元と比べるとはるかに人が多くいるでしょう。
都会の人混みに苦手意識をもっている方は、自然と気持ちが故郷に向かい、Uターン転職を考えるきっかけになるようです。
長時間通勤から解放されたい
テレワークが普及しつつある今でも、郊外にある自宅から都心にある職場まで、長い時間をかけて通勤している方はまだまだ多いでしょう。日が昇りはじめる頃に起きて出発し、帰りも疲れた身体でまた長い時間をかけて帰宅します。
このような生活は首都圏で転職をしても解消されることは少ないものです。住む場所、あるいは働く場所を変えなければ通勤時間の問題を解決することはできません。それならUターン転職をして、地元で時間にゆとりのある暮らしがしたいと考えるようになります。
通勤手段を変えたい
通勤時間が長い、ということと重なる部分もありますが、多くの人が電車や地下鉄、バスといった公共交通機関で長い時間をかけて通勤しています。
満員電車で座ることもできずに通勤するのは辛いものです。また、公共交通機関を利用していると、帰りは終電・終バスの時間も気にしなければなりません。
地方に移り住めば、ストレスなく車で通勤したり、職場の近くに居を構え徒歩や自転車で通勤したりと、自分のペースで通勤することができます。そのため、生まれ育った地元へのUターン転職が候補に挙がってくるのです。
子どもの成長のタイミング
子どもがいる場合、小学校に入る前のタイミングなどで地元に帰ろうと考える方が多くいます。
都会での子育ても、もちろんいい点はあります。しかし自然が豊かな環境で育って欲しい、自分と同じような経験を子どもにもして欲しいという思いから、Uターンを現実的に考えるようになってきます。
育児で頼れる人がいない
配偶者も地方出身者の場合、都心での暮らしはお互いの実家が近くにありません。2人だけのときには問題に感じなくても、子育てを始めると、「両親(子どもにとっての祖父母)が側にいてくれたらな……」と感じる場面は多くなります。
育児で頼れる人がいないことの辛さ、不便さを痛感したとき、実家の側で暮らしたいと考える方もいます。
子どもの成長後、地元に戻りたい
高校卒業まで子どもと都会で暮らした後、大学進学や就職などで子どもが家を離れたタイミングで、夫婦だけ、あるいは自分だけで地元に戻ることを考え始める方もいるようです。
都心で生まれ育った子どもには、いま暮らしている環境で人間関係が築けている中、それを壊してまでついてきてもらうのではなく、自分の挑戦としてUターン転職を決意します。
子どもとは離れて暮らすことにはなりますが、お互いに自分たちの生き方・働き方を大切にすることができます。
親の介護のため
地元で暮らす親が高齢になり介護が必要になったり、父か母かのどちらかが亡くなり一人で生活させることに不安があったりする場合、Uターンしなければならない状況になることがあります。
子どもがある程度の年齢であれば、自分だけでUターンをして実家やその近くで暮らすこともありますが、家族全員でUターンをする場合は、環境が変わってしまう配偶者や子どもへのサポートも必要になります。
都心での経験を地元に還元したい
東京など大都市圏で経験を積んだ方が、仕事を通して地元の役に立ちたいと考えた場合、Uターンを決意することがあります。
地方ではまだ広まっていないアイデアや技術などを自分が持ち込み、その経験で企業を盛り上げ地元に還元するというこのパターンは、元からUターンがしたかったというよりも、仕事での自信がついた結果、Uターンを考え始めたパターンといえるでしょう。
転職すること」が主目的。その具体例とは
思わぬ異動がきっかけ
転勤がある企業に勤めている場合、異動がきっかけとなりUターン転職を考える方がいます。
何の縁もない土地に、ある程度の年齢になって飛び込むのは勇気がいるものです。知らない土地に異動するのなら慣れ親しんだ地元に戻りたいと、Uターンを考え始めるようになります。
また、この道でキャリアを積んでいこうと思っていたのに予想外の部署へ異動となった場合も、Uターン転職を考えるきっかけになるようです。
ほかには、もともと地元勤務だった方が東京に異動となり、いつか戻りたいと思っているうちに地元の支店が撤退してしまい……というケースも実は多いものです。地元への異動の可能性がなくなってしまい、Uターン転職を考えるきっかけになります。
職場の人間関係に悩んで
一般的に、職場の人間関係に悩んで転職を決意する方は多くいます。少しのわだかまりでも、仕事という場においては大きなストレスを感じるものです。
このような状況でストレスを抱えて働くよりは、心機一転してチャレンジした方がいいのでは……と考え、自分の理解者である親や気心の知れた友人がいる地元へのUターン転職が候補に挙がるようです。
早期退職を打診されたから
まだまだ働く意欲があるにもかかわらず、50代、もしくは40代でも早期退職を打診されることがあるようです。
突然そのような話を持ちかけられた場合、このまま会社にいてもキャリアアップは望めないのでは……と多くの方が悩むことでしょう。
しかし、早期退職を打診された際に提示された退職金に納得できた場合や、会社の状況を受け止め、早期退職が新たなステップへのチャンスだと前向きに考えられる場合などは、これを機会にUターンも含めた転職を現実的に考えるようになります。
Uターン転職は余裕が生まれるのが魅力
Uターン転職を考えるきっかけや理由は、一人ひとり異なります。ある理由でUターンをしようと決意しても、その選択は本当に正しいのかと迷うこともあるでしょう。
そんな迷っている方にお伝えしたいのは、Uターン転職の何よりの魅力である「余裕が生まれる」という点についてです。
都心の暮らしは、便利で何でもあるように思われる一方で、選択肢が多すぎて決断することに追われたり時間を費やすことに疲れを感じたり……ということがあります。それらがUターン転職によって解消され、気持ちにも時間にも余裕が生まれるようになります。
何より、「知っている土地」は精神的にとても楽なものです。買い物をするのも出かけるのも、調べる必要も迷うこともありません。知らないことが多く、さまざまなことをリサーチしていた都会暮らしと比べるとストレスが減るものです。
たしかに、地方は遊ぶ場所や子どもの進学先など、都心に比べれば選択肢は少なくなってしまいます。しかし、それは迷う必要性がないという意味でもあり、ある物の中で選択し、受け入れるという余裕を持つことができるのです。
Uターン転職のきっかけは「不安感」、決め手は「安心感」
Uターン転職を決意したらいよいよ転職活動がスタートしますが、Uターンとなると、世代を問わず新たな挑戦よりも「安定」を求める人が多い傾向にあります。地元で有名な企業や、親や親戚が薦める企業を選ぶなど、安心できる勤務先を選びたくなるものです。
また、Uターン転職を決意したきっかけが、何かマイナスな要因から解放されたかった場合、それが解決できる勤務先を選ぶようになります。
つまり、Uターン転職のきっかけは、このままでいいのだろうかという「不安感」から始まりますが、最終的なUターン転職先の決め手は、その不安感を解消することができる本人なりの「安心感」が得られる場所となるのです。
都心で働いていたときと同じ不安を抱えながら働いたり暮らしたりしなくて済むように、納得のいくまで転職活動を進めていきましょう。
Uターン転職のきっかけと地元への想いを明確に
Uターン転職に至ったきっかけは人それぞれあり、前向きな理由の人も、そうでない人もいるでしょう。
しかし、生まれ育った地元へ帰るという選択をしたその気持ちの中には、少なからず故郷への想いが入っているはずです。元々は地元に帰るつもりではなかった人も、その想いを大切に、地元で自分の経験が活かせるような転職先を見つけましょう。
自分がどういったきっかけでUターン転職をすることになったのか、理由と気持ちが明確になっていれば、選考の場面でもきちんと伝えることができるはずです。
きっかけを上手く伝えてUターン転職を成功させよう
リージョンズでは「暮らしたいところで思い切り働く」をテーマに、大都市圏から北海道・宮城・栃木・茨城へのUターン・Iターンを考える方のための転職支援サービスを行っています。
ここまでUターン転職のきっかけについてお話しましたが、実際に転職支援をする場合は、一人ひとりの状況や志向に沿って、きっかけや理由の整理をしています。
今すぐの転職はもちろん、中長期目線での情報収集も歓迎です。Uターン転職を考えている、自分のキャリアも豊かな暮らしも手に入れたい、という方はぜひリージョンズにご相談ください。
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