30代からの職務経歴書の書き方

職務経歴書は、まだあなたのことを知らない企業に、あなたのことを知ってもらうための資料であり、その内容で書類選考の合否が決まります。

20代であれば、学歴の良し悪しや年齢など職務経歴以外の理由で採用されることもありますが、30代以上のキャリア採用においては、どのような会社で、どのような役割をもって、どのような成果をあげたかが必ず問われます。しかし、職務経歴書にそれらのことをきちんと記載せずに、損をしている転職希望者と出会うことが多々あります。

転職希望者の一人ひとりが、より良い転職を実現するために、絶対に押さえておきたい職務経歴書の書き方のポイントを解説していきます。

職務経歴書とは

履歴書は在籍した学校や会社、その期間を記載したものであるのに対して、職務経歴書は在籍した会社での役割や成果を具体的に記載したものです。

その記載内容をもとに、採用企業は自社が求める人材かを判断し、面接を実施するかどうかを決定します。つまり、職務経歴書は「書類選考を通過させる」ためのプレゼンテーション資料と考えてよいでしょう。

職務経歴書の3つの形式

職務経歴書の書き方は基本的に自由ですが、その形式としては大きく3つに分類されます。それぞれの特徴を知ったうえで、自分に合ったもの・応募先企業に合ったものを選びましょう。

①編年体形式

自分の在籍した会社やその中での役割を時系列でまとめたものです。新卒で入社したときから現在に至るまで、その成長過程が読み手に伝わりやすいというメリットがあります。感覚的には転職希望者の約3割がこの形式で記載しています。

②逆編年体形式

編年体とは逆に、直近の会社から時系列を遡って記載していく記載方法です。社会人経験が長く、さまざまな経験をしてきた中でも、直近のキャリアをアピールしたい場合に適しています。感覚的には転職希望者の約7割がこの形式で記載しています。

③キャリア形式

時系列は関係なく、経験した職種やプロジェクトごとにまとめていく形式です。ただし実際の転職活動の場ではほぼ用いられていません。そのため、人事担当者にとっても「見慣れない形式」となってしまうことから、よほどの理由がない限りお勧めしません。

書類選考は1~2分で決まる

採用担当者が書類選考に費やす時間は一人につき1~2分程度と考えておきましょう。そのため「短時間で理解してもらえる」ことが重要です。その意味では、採用担当者が見慣れている編年体形式もしくは逆編年体形式で書くことをお勧めします。

職務経歴書の書き方のポイント

具体的に職務経歴書を書く上で、意識すべきポイントについて解説します。

①名詞・数字を書く(形容詞・副詞を排除する)

多い・少ない、高い・低い、といった主観的な程度を表す形容詞や副詞には説得力がありません。もし職務経歴書で形容詞や副詞が出てきたら、それを名詞・数字といった客観的な事実に置き換えられないか検討しましょう。

30代のポイント!
職務経歴書は転職活動をしていないときも書いておく

転職活動をしていなくとも、少なくとも1年に1回は、職務経歴書をアップデートする習慣を持つことをお勧めします。

30代以上ともなれば、多くの経験をしているはずです。しかし、「昔のことは正直あまり覚えていない」という場合もあるのではないでしょうか。特に具体的な数字は、いざ職務経歴書を書こうと思っても記録が残っていないこともあり得ます。毎年の記録として職務経歴書をアップデートしておくとよいでしょう。

また、1年に1回、職務経歴書をアップデートすることは、自分自身のキャリアが停滞しているときのアラームにもなります。「前回から1年経ったけど職務経歴書に追記することがない」という場合は黄色信号です。その場合には、転職に限らず何か環境を変える努力をした方が良いかもしれません。

 

②見栄え・レイアウトを良くする

職務経歴書はあなたのプレゼンテーション資料です。行頭を合わせる、表を活用する、パラグラフを意識するといったことは最低限意識しましょう。

同じ内容が書いてある職務経歴書であっても、1分で理解できるものと、5分見ても理解できないものがあります。読み手に分かりやすく書くことは重要なビジネススキルであり、見栄え・レイアウトの良し悪しが合否に影響することも十分にあり得ます。

職務経歴書は最大でも3枚以内で書く

自分のことを理解してもらおうとすると、あれもこれもと書きたいことが出てくるものです。しかし、職務経歴書の目的は「書類選考を通過させる」ことであり、読み手に「面接したい」と思ってもらうことです。文章量が多すぎると、読み手が辟易としてしまい、「面接したい」という気持ちがなくなります。最大でも3枚、できれば2枚以内に収めましょう。

成果をあげている人ほど職務経歴書はシンプル?

成果をあげている人ほど、職務経歴書の記載内容はシンプルで簡潔、文字数も少ない傾向にあります。例えば営業職の場合、「15年連続目標達成(営業300人中、最長記録)」と書いてあれば、その一行だけで成果をあげてきた人であることが伝わります。一方でそれほどでもない人が、自分の成果を事実として伝えようとすれば、年度ごとに達成率を記載するなど文字数が多くなります。

 

③相手は自社・自分のことを知らない前提で書く

職務経歴書の読み手は、あなたのことも、あなたが在籍している会社のことも知りません。誰もが知っている有名企業を除けば、事業内容、売上や従業員規模も書いていないと相手に伝わりません。

また○○部長と書いたとしても、その会社の組織が分からなければ、あなたの立ち位置が相手に伝わりません。

職務経歴書の項目別の記載事項

職務経歴書の項目ごとに記載すべき事項のポイントを解説します。

①職務要約

自分自身のこれまでの職務の要約を200字前後で記載します。要約ですから網羅的に書く必要はありません。「自分は何者か」を初対面の相手に簡潔に自己紹介するイメージでまとめてみましょう。

②職務経歴

職務経歴書のメインとなる部分です。見栄え・レイアウトを意識するには表形式で記載することをお勧めします。

在籍した会社ごとに表を作成し、その中での部署や役職・役割ごとに表を分割して記載していく形式が一般的です。所属部門、職務内容(役割)、実績などを具体的に書いていきます。

30代のポイント!
自分自身の成長過程が伝わるように記載する

30代以上であれば、キャリアの変遷、役割の変化、スキル・経験の広がりといった、自分自身の成長過程が相手に伝わるように意識しましょう。仮に新卒から現在まで同じ部門で仕事をしていたとしても、役職がついた(役割としてマネジメントが加わった)、担当職務が変更になった、事業所を異動した、ということがあるはずです。適度に表を分割することによって、自分自身の成長過程を相手にアピールしやすくなります。

「年」の記載は「西暦」で統一することがベター

履歴書は和暦、職務経歴書は西暦で、それぞれ記載している書類をよく見かけますが、読み手の立場を考えれば、絶対に統一するべきです。また和暦の場合は「平成29年1月~令和3年12月」と記載されていた場合、「令和元年は平成31年だから…」と計算する必要があり、直観的に分かりにくいことがあります。特に指定がない限りは、すべて西暦で統一することをお勧めします。

③その他

職務経歴まで記載ができれば、その先は任意項目です。テンプレートによって異なりますが、

「資格」「活かせる経験・知識・技術」「自己PR」といった項目が一般的です。「資格」は履歴書にも記載しているはずなので、重複するようであれば職務経歴書の項目自体を削除しても問題ありません。

また「活かせる経験・知識・技術」と「自己PR」も記載することが重複するようであれば、どちらか一方を割愛してしまいましょう。

まとめ

今回は30代以上のホワイトカラーが転職する上で欠かせない職務経歴書の書き方について解説しました。はじめて職務経歴書を書く場合は、どこから手を付けて良いか悩むこともありますが、ポイントを押さえていれば難しいことはありません。

リージョンズでは、応募企業に合わせた職務経歴書の書き方の相談も承っていますので、北海道・宮城・栃木・茨城での転職をお考えの方は、ぜひご相談ください。

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