【30代からのキャリア】故郷へ経営幹部・CxOとしてUターン転職するという選択

リージョンズでは様々な職種の方のUターン・Iターン転職を支援していますが、近年は経営幹部やCxO候補として転職する方が増えています。東京の大企業で課長を務めていた方が地方企業の経営幹部としてUターンすることも珍しくありません。

首都圏での経験を活かして地元に貢献する喜びを味わえる経営幹部・CxO転職を成功させるポイントについて、事例を交えてお伝えします。

この記事を監修したコンサルタント

大場 愛弓(Oba Ayumi)
リージョンズのコンサルタント。2014年入社以来、北海道・茨城エリアでキャリアコンサルティングに従事。一人ひとりの心に寄り添った支援を行うことを大切にしている。
保有資格:国家資格キャリアコンサルタント

経営幹部・CxOへのUターン転職が増えている

地方出身者なら、一度はUターン転職について考えたことがあるのではないでしょうか。

リージョンズでは様々な職種の方のUターン・Iターン転職支援をしていますが、近年は管理・企画系職種への転職が増えています。とくに増加しているのが経営幹部・CxO(※)ポジションへの転職です。管理・企画系職種のうち経営幹部としてUターンした方の割合は、2013~2017年は12%でしたが、2018~2022年は33%まで上昇しています。

CxO(Chief x Officer)とは
「Chief:組織の責任者」+「x:業務・機能」+「Officer:執行役」からなる経営用語であり、企業活動における業務および機能の責任者の総称のことです。近年では外資系企業だけでなく日系企業でも募集が増えつつあります。役員の権限や責任に関して法的な裏付けはなく、組織内での職制を示す役職名として企業が自主的に使用している呼称のため、企業によって定義・役割・業務内容が異なります。
参考:東大IPC(https://www.utokyo-ipc.co.jp/column/cxo/

地方企業で経営幹部・CxOの需要が高まっている理由

地方企業の経営幹部というと勤続年数の長い社員が登用されるポジションであり、「外様トップ」は歓迎されないイメージがあるかもしれません。しかしそれは一昔前の話です。社会情勢が変わる中で地方企業の意識も変化しているため、経験を活かして地元企業の経営に深く関わりたいと考える方にとっては好機と言えるでしょう。

① 地方中小企業の事業承継需要が増加している

経営幹部・CxOポジションのニーズが高まっている大きな要因として、地方中小企業の事業承継需要の増加が挙げられます。

大企業が多い都市圏に比べて中小企業が多い地方では経営者の高齢化が進行しており、後継者の確保が社会課題になっています。そこで、即戦力として組織を牽引できる人材や、経営的視点から様々な業務をリードするCxOポジションのニーズが高まっています。

地方には経営幹部候補になるような転職者は少ないのが現状です。そのため、都市圏でキャリアを積んだミドル以上の人材ならば、CxOや経営の経験がなくとも経営幹部候補としてUターンできる場合があります。また投資ファンドに経営者やCxOとして採用され、承継者がいない投資企業に送り出されるケースもあります。

② 経営幹部を中途採用する必要性に駆られている

これまで経営幹部のポジションに就くためには管理職になって経験を積み、昇進を重ねていくことが当たり前でした。しかし昨今では、求める経験やスキルを持っている人材を中途採用で獲得し、経営における重要なポジションを与えることも珍しくありません。

これは目まぐるしく変化するスピード社会に遅れをとらないために必要なことです。従来は変化することに消極的だった中小企業も、コロナ禍でリモートワークを導入する必要がある、DtoCで新たな販路をつくりたい、少子化で人材採用ができないことを見越して自動化・省人化を推進したいといった経営課題に直面しています。

しかし、こうした経営課題を解決できる人材が社内にいないため、経営トップと同じ目線で課題解決を推し進めることができるCxOクラスの人材を外部から迎え入れるケースが増えています。この場合は、企業がもつノウハウや過去にとらわれず、ビジョンの実現に向けて旗振り役を担ってくれる人材が歓迎されます。

経営幹部・CxOにUターン転職するメリット・デメリット

経営幹部・CxOとしてUターン転職する際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、想定されるデメリットも理解しておきましょう。

メリット

裁量権が大きいことが最大のメリットです。例えば、COOは企業が成長するタイミングで社長の右腕として採用されるケースが多く、経営をドライブさせていく醍醐味をダイレクトに感じられるでしょう。経営者と意気投合し、自分の「価値観」「目線」が企業としっかり合っていると、都市圏の大手企業よりも個人として多くの成果を出せる可能性が高まります。

地方の中小企業への転職は収入面に不安を覚える方もいるかもしれませんが、優秀な転職者には給与テーブルに縛られず高い年収を提示する企業が増えています。例えば、リージョンズの調査では北海道へUIターン転職する人の決定年収が2012年比で44.1%上昇というデータがあります。

参考:リージョンズ 北海道UIターン白書(https://regions.co.jp/info/20221219/

また、経営幹部・CxOとして採用されるとストックオプションの権利を得るケースもあります。IPOなど企業が大きく成長した場合、将来的に大きな収入が期待できるでしょう。

デメリット

地方企業はほとんどが中小企業であり、オーナー経営であることが多いため、経営者との相性が非常に重要になります。仮に経営者と相互理解が難しくなってしまい、人間関係が悪化するなどの状況が発生し、それを自身が許容できなくなってしまったときは、長く働くことが難しくなってしまうというデメリットが考えられます。

このようなデメリットを回避するには、自分と価値観の合う経営者と巡り合うことが大切です。そして入社後は日々経営者とコミュニケーションを取り、目線を合わせ続ける必要もあるでしょう。入社前にエージェントなどに客観的な意見を聞く、自分がもつ人脈をたどって情報を集めるといった事前の対策も有効です。

また、首都圏の大企業と地方中小企業の違いとして理解しておきたいことが、「地方には、成長を求めない会社もある」ことです。もちろん地方には多くの成長意欲溢れる企業がありますが、志向性が異なる企業も存在すると理解しておきましょう。

経営幹部・CxOへのUターン転職を成功させるポイント

経営幹部・CxO候補を中途採用することが一般的になってきたとはいえ、会社の将来を左右する人材を獲得するということは、地方企業にとって大きな挑戦です。そういった前提をふまえてUターン転職を成功させるポイントをお伝えします。

① 早めに専門家と繋がり、情報収集を行う

近年は転職サイトでCxO求人を目にすることが増えてきましたが、地方において経営幹部クラスの募集は非公開で行われることが一般的です。事業戦略に関わる重要なポジションを欲していることを他社に知られたくないからです。

まずは経営幹部・CxO転職支援を専門としているエージェントに登録してコンサルタントに希望を伝え、情報を集めましょう。希望に合致する求人はなかなか現れないため、いい話があればすぐ動けるよう準備しておくことが大切です。

また、地元に密着し市場をよく理解しているエージェントとも繋がっておくとよいでしょう。都市圏にいると、地元の情報を自分の力だけで集めることは困難ですが、地域密着のエージェントは常に最新情報をもっています。実際に転職活動を進める際にもバックアップが期待できるため、ぜひ活用しましょう。

② 地元の知人に相談する

経営に近いポジションへの転職は知人経由のリファラル採用が多いものです。ある程度の年齢になると同級生などで経済界にネットワークをもつ人も出てくるため、地元の知人にUターン転職を検討していることを話しておきましょう。意外な繋がりから声がかかるかもしれません。

経営幹部・CxO転職の成功事例

実際にリージョンズが支援を行った、経営幹部・CxO転職の成功事例をご紹介します。

※個人の特定を防ぐために内容を一部加工しています。

CASE① 地元本社企業における社長の右腕としてUターン

Aさん・30代

首都圏の大学を卒業後、大手証券会社の金融コンサルタントとして活躍

転職先の企業

地域密着型の中堅保険代理店


当初は募集が行われていなかったポジションへの転職です。Aさんと採用企業の社長は、保険商品を扱う上での顧客や地域との関わり方について考えが一致していると、コンサルタントは感じました。この社長のもとであればAさんのビジョンが叶うと考えたコンサルタントが2人を引き合わせました。予想通り2人は意気投合し、会話を重ねる中で企業のビジョンや互いの価値観への共感が生まれ、Aさんのために新たにポジションが創られたという事例です。

CASE② 地元本社企業のCFO候補としてUターン

Bさん・50代

首都圏の専門学校を卒業後、大手企業の経理・財務部門からキャリアをスタートし、複数子会社の代表取締役などを歴任

転職先の企業

不動産関連の地元ホールディングス企業


採用企業は子会社が増え成長が加速している状況で、グループ全体の経営を担うホールディングス会社の体制強化を図っていました。Bさんは不動産関連企業での経験が豊富であったため、採用企業にとってぴったりの経験とスキルを持つ方でした。企業と転職者のタイミングが合致した好事例です。

CASE③ 地元本社企業の次期経営者としてUターン

Cさん・50代

首都圏の大学を卒業後、大手保険会社でキャリアを重ね、海外子会社社長として活躍

転職先の企業

地元大手専門商社


日本企業の現地法人トップを担った経験が買われ、当初は募集が行われていなかったポジションへの転職を果たしました。多くの経営幹部採用と同様に、企業内外に一切公にしないコンフィデンシャル案件として依頼を受けた事例です。

いくつか成功事例をご紹介しましたが、どのようなキャリアが考えられるかは人それぞれ異なります。「自分の経験をこの地域で活かすにはどのような選択肢があるか」といった相談は、ぜひ個別キャリア相談会を活用ください。

経営幹部・CxOへのUターン転職ならリージョンズへ

自分が地元でどんなキャリアを築いていきたいかをよく考えることがUターン転職成功のポイントです。リージョンズでは、北海道・宮城・栃木・茨城における経営幹部・CxOへのUターン転職について個別具体的なアドバイスを行っています。地元で自分の経験を活かしたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。

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