嫁ブロックの原因は「あなた」にある!自分勝手なUターン転職は地獄への第一歩|転職相談Q&A

日ごろ転職相談でお寄せいただく質問にリージョンズのコンサルタントがお答えします。

今回は「Uターン転職を妻に大反対されているが、どうすれば良いかアドバイスが欲しい」というご相談です。

※個人情報保護のため質問内容は一部加工しています。

現在、東京都で妻と子供(4歳)と暮らしています。都内の大手IT企業で事業企画部門の管理職をしており、仕事内容にも年収にもおおむね満足しています。
一方で最近、地元である札幌にUターン転職したい気持ちが高まってきました。札幌には東京では味わえない豊かな自然が身近にあります。幼少期には草むらで虫取りをしたり、学校帰りにランドセルを投げ捨ててザリガニ釣りをしたり――。個人的には、自分の子供にも同じような体験をさせてあげたいと思っているのですが、先日妻に相談したところ大反対されました。
妻は生まれも育ちも東京で、現在の生活に不満は持っていませんので、あえて札幌に移住することに反対する気持ちも分かります。ただ、私も40歳目前となり、このタイミングを逃すと、Uターンはもう叶わない気がしています。
そこで、妻には言わずにまずは転職活動をはじめようと思っているのですが 、何かアドバイスがあればお願いします。
(A氏・39歳・男性・大学卒・事業企画)

この記事を監修したコンサルタント

宮崎 美晴(Miyazaki Miharu)
リージョンズ北海道コンサルタント。30歳目前で新卒入社した会社から転職し、その後ライフイベントを機に退職。10年間の専業主婦生活を経験後、2017年に家族とともに地元北海道へUターンしリージョンズに入社。

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佐藤 理貴(Sato Masataka)
リージョンズ宮城コンサルタント。大学卒業後カナダ留学を経て、求人広告営業やIT企業での事業開発、精密機械装置メーカーの管理部門などを経験。2021年リージョンズに入社し、地元宮城へのUターンを実現。

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奥様には言わずに転職活動をはじめることについて

Aさんは生まれ育った札幌の自然のなかでお子さんを育てるため、Uターン転職をお考えなのですね。一方で奥様からは札幌へ転居することに大反対されているとのこと。奥様にとってはIターンになりますので、わざわざ今の生活を捨ててまで知らない土地で暮らすことに抵抗があるのかもしれません。

Aさんが奥様には言わずに転職活動をはじめるにあたり、キャリアコンサルタントの立場からアドバイスをしたいと思います。

1. 自分勝手なUターン転職は中止すべき。Uターン後の生活を本気で考えよ。

質問内容を見た限りではありますが、このUターン転職はAさんの独りよがりであり、あまりに唐突で自分勝手な行動だと感じます。奥様が大反対するのも当然で、転職活動は中止すべきです。

まず、札幌には学校帰りにランドセルを投げ捨ててザリガニ釣りをする子どもはいません。札幌の自然環境も昔とはかなり異なっており、今は「雪が降る都会」と思った方が良いでしょう。本当に自然豊かなエリアもありますが、自分たちで何時間も雪かきをしなければ外出もできないようなエリアに、東京で生まれ育った奥様を無理やり連れていくつもりでしょうか。奥様にとってのメリットが何一つ見えてきません。

また、お子さんが4歳ということですので、すでにご夫婦のなかで教育方針も話し合われていることでしょう。地方に移住する場合、お子さんの教育環境は大丈夫なのか、多くの人が心配します。奥様としては、「いまさら札幌にUターン転職したいと言われても、これまで話し合ったことは何だったの?」と呆れてしまうレベルだと思います。奥様がUターン転職に反対することは当然のことです。

宮崎
Aさんがザリガニ釣りをしていた30年前の札幌と、今の札幌は全然違いますね。
少なくとも札幌の街なかは都会だと思っています。もちろん公園などはありますが、多くの人が想像するような大自然はありません。大自然のなかでは日々の生活も大変ですし、理想ばかりを追わずに現実もしっかり見た方が、後悔しなくて済むと思いますよ。

また近所のママ友と話をしていると、東京から移住してきた人ほど子どもの教育環境を大切にしていて、どこの塾に入れたい、どこの学校に入れたいと、まだ子供が小さいうちからご夫婦で話し合っているそうです。
奥様の方が子どもの教育に関しては熱心な傾向がありますので、そうした奥様の想いを無視してAさんが安易なことを言ってしまうと、ご夫婦の修羅場が目に浮かびます。

2. Uターンの目的は本当に「子育て」か?真意が見えない。

Aさんは自然豊かな環境でお子さんを育てたいと言っていますが、それは本心でしょうか。東京で満足のいく生活を送っているなかで、大反対する奥様を押し切ってまで、Uターン転職をする理由としては、どうにも解せません。そのほかにUターン転職したい本当の理由が、Aさんの中にあるのではないでしょうか。子育てが嘘だとまでは言いませんが、奥様が納得してくれそうなもっともらしい理由を後付けで話されているように感じてしまいます。

きっと奥様も同じことを考えているはずです。Uターン転職の真意を言わずに、「家族のため」「子どものため」という価値観を押し付けられた方はたまったものではありません。何が真意かは分かりませんが、「札幌でどうしてもやりたいことがある」など、自分都合の理由であっても、本音を言ってくれた方が、まだ奥様としては検討の余地があるのではないでしょうか。

佐藤
これは相談内容を読んで、私たち2人とも共通で感じたことです。大自然の中で子育てしたいのは分かりますが、今の生活を捨ててまでどうしても実現したいこととしては、理由として弱すぎるのではないでしょうか。
宮崎
きっとAさんのなかには、子育てもありつつ、その他にもっと重要な札幌にUターンしたい理由があるのだと感じました。その理由が分からないうちは、奥様としては賛成する理由がないと思います。

3. どうしてもUターンしたいのなら、責任と覚悟をもって奥様と会話すべき。

今回のケースでは「札幌の会社から内定を貰えば妻も分かってくれるだろう」といった甘い考えは到底通用しません。すでに大反対の意思を示している奥様の理解なしに転職活動をすること自体、奥様の逆鱗に触れるはずです。下手をすれば一生修復できない家族との溝が生じてしまう可能性すらあるでしょう。いまのまま転職活動をはじめても、良いことは何もありません。冗談ではなく地獄への第一歩になる行動だと思います。

そのうえで、Aさんがどうしても札幌にUターンしたいのであれば、まずはAさんがUターンを考えた真意を奥様に率直に話すべきです。また奥様にとってメリットのない札幌移住に合意してもらうためには、Aさんに責任と覚悟が求められます。

ご夫婦間の役割分担として、家計の収入の大部分をAさんが担っているのであれば、札幌にUターンしたあとも家族を養える十分な収入を得ることは大前提になるでしょう。また、奥様は札幌の教育環境(学区内の小中学校、学習塾の評判)や生活(交通事情、エリアごとの住環境)に関して詳しくないはずですから、あらゆる物事を自分が主体となって進めていく覚悟が必要です。

Uターンすることがご夫婦の希望であれば、自然とお互いが助け合うことになりますが、今回のように奥様が大反対している場合は、助け合うという考えは捨てましょう。Uターンをすることは、奥様から現在の理想的な生活を奪うことになります。その対価として、Aさん自身に責任と覚悟が求められることは肝に銘じておいた方が良いでしょう。

佐藤
私は以前、内定を貰った会社のことを妻に話したら大反対され、辞退したことがあります。今振り返るとその原因は私自身にあったのだと思っています。自分自身がやりたい仕事だったので、深く考えずに妻に話したところ、年収が下がることを懸念され、私もそれ以上は何も言えませんでした。
その後、あらためて転職活動を行い、内定を得た会社では、なぜ私がその会社に入りたいのか、年収が下がる分はどう補填するか(自分のお小遣いを減らしました笑)、将来はその会社でどういう立場を狙っていくかなど、妻とお互いに考えていることを真剣に話し合いました。そのときは最終的に妻も転職に賛成してくれ、円満に転職活動を終えることができました。
やはり自分本位なだけでは相手も分かってくれませんので、自分の責任や覚悟を妻に伝えることが大切だと気づかされました。

責任と覚悟を誠心誠意伝えよう

まず転職活動は中止しましょう。状況を考えると奥様が大反対するのは当然です。AさんがUターン転職したい真意もイマイチ見えてきません。そのうえで、どうしてもUターン転職したい理由があるのであれば、それを率直に奥様に伝えたうえで、家族の生活に対して責任を負い、覚悟を持っていることを誠心誠意伝えると良いでしょう。


北海道・宮城・栃木・茨城でのキャリア形成について、客観的なアドバイスが欲しい方はリージョンズにご相談ください。

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