地方暮らしはお金がかかる?ローカル在住30代のライフスタイル&マネー事情

多様な働き方が広がるにつれ、地方に移住する人や地元にUターンする人が増えています。そんなときに気になるのは、地方でどんな生活が待っているのかと、それに伴うお財布事情ではないでしょうか。「地方での暮らしは都会よりものんびりしていて、お金がかからない」というイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょう。今回は地方暮らしのリアルをお伝えするために、30代の男女4人にライフスタイルとマネー事情を聞いてみました。

※この記事はインタビュイー各人の感想です。

CASE① 東京から仙台にUターン。お金と心の余裕をゲット 2児の父・Aさん

Aさん(39歳)
居住地:仙台
家族構成:【既婚】妻、子ども2人、猫

── Aさんは東京で単身赴任をしていたそうですね。仙台に家族を残していたということで、二重生活はお金がかかったのではないでしょうか?

そうですね。家族と一緒に暮らしていたらこの費用はいらないのに、と思うことが多かったです。
仙台にUターンして金銭的に変わったことは3つあって、1つは寮費がかからなくなったこと。東京では会社の寮に住んでいたため、寮費を支払っていました。いまは仙台の持家に家族と住んでいるので、その費用はゼロになりました。

── 単身赴任の手当は無かったんですか?

会社命令で単身赴任をしていたわけではないので、手当はありませんでした。仙台の家のローンと東京の寮費、どちらも支払っていたのでその負担が重かったですね。東京で働いていたのは自分の意思なので、わかっていたことではありますが、二重生活は本当にお金がかかりました。
変わったことの2つめは、私の分の食費がかからなくなったことですね。

── 一人暮らしだと食費は割高になりそうですね。

食費に関しては頑張って自炊して節約しようとしたのですが、一人分を自炊してもあまり安くならないんですよ。外食しようと思っても、大手チェーン店以外は仙台より高いんです。私の体感ですが、1.3倍くらいでしょうか。

── たしかに、東京のカフェやレストランのメニューを見ると高いなぁと感じます。

そうですよね。東京と仙台は、物価は同じでも土地代の違いからか、飲食店や他のサービスも少しずつ値段が違うんですよ。例えば、同じフィットネスクラブでも場所によって会費が違うことがあります。土日祝通い放題のホリデー会員は仙台だと月8,000円程度で契約できますが、東京だと10,000円前後だったりします。
金銭面で変わったことの3つめは、帰省費用がかからなくなったこと。単身赴任中は月1回のペースで東京から仙台に帰省していたので、結構な出費でした。

── 寮費、食費、帰省費用がゼロになったら、家計に与えるインパクトは大きいでしょうね。

仙台にUターン転職したら、家計的にはやっぱり全然違いますね。金銭面に余裕が生まれましたが、心の余裕もできたことが一番嬉しいです。慣れ親しんだ地元で家族と暮らせることは幸せだなぁと思います。子どもはもう中学生で手がかからなくなったので、パパたまには出張とか行けば?と言われますが(笑)

CASE② のんびり地方暮らしも、広がる教育格差に一抹の不安 1児の母・Bさん

Bさん(36歳)
居住地:札幌
家族構成:【既婚】夫、子ども1人

── Bさんは、旦那さんの転勤で出身地の札幌に戻られたんですね。

はい、夫が転勤族なので、首都圏や関西で引っ越しを繰り返していました。今回、たまたま私の出身地である札幌に辞令が出たので嬉しかったですね。子どもは転校させることになってしまいましたが、すぐに札幌の生活に慣れてくれたのでよかったです。私は出産を機に専業主婦になったのですが、札幌に戻ってきてから再就職しました。近くに実家があるので、何かあっても頼れるのは心強いです。

── いい環境ですね。首都圏と札幌で生活に違いはありますか?

地元ということもあって、札幌暮らしのほうが落ち着くし、性に合っていると思います。ただ、子どもの教育のことだけは、首都圏のほうが恵まれた環境だと思います。

── どのあたりに違いを感じますか?

一言でいうと教育格差がありますね。首都圏では小学校受験や中学校受験は珍しくありませんが、札幌では少数派です。教育における選択肢がすごく少なくて、競争が生まれにくいんですよ。札幌では、よほど教育熱心で、多くのサポートができる家庭じゃないと、首都圏のように学力を伸ばすことは難しいのではないでしょうか。

── 学力の差はありそうですね。子どもの環境について他に違いは感じますか?

教育だけでなく、体験の格差もありますね。美術館や博物館といった文化的施設も首都圏に比べて少ないですし、習い事のバリエーションも乏しいと感じます。放課後を過ごす場所として、東京には送迎付きで宿題を見てくれて英語も学べるような民間の学童がたくさんあります。もちろんそれなりに高額ではありますが、親としては納得できる水準のサービスで安心できました。札幌にも似たような民間学童がありますが、選択肢は限られますし、東京に比べるとサービスももう少し頑張ってほしいな……と思ってしまいますね。

── 教育費についてはどうですか?

東京にいた頃から、水泳、ピアノ、プログラミングを続けています。札幌に来て、月謝は約半分になりました。最初はびっくりしましたね(笑)。教室の場所代、人件費などが東京とは全然違うからでしょう。あとは、習い事の雰囲気も違いますね。東京よりのんびりしているというか、楽しむことや仲間と協力すること、そして達成感を味わうことを重視しているように感じます。

── 東京にいたころよりも、家計は楽になったのではないでしょうか。

私も再就職しましたし家計にはゆとりがありますが、大学進学で一人暮らしをする場合などを想定すると、今からしっかり稼いで貯金をしておきたいと思っています。
地方は専業主婦の家庭が多いイメージでしたが、私の周りはほとんどの家庭が共働きです。環境が似ているので話が合うし、相談ごともできるので助かります。子どもの水泳レッスンを見学しながらパソコンで仕事をしているママさんは私くらいですが(笑)。
またいつ夫が転勤になるかわかりませんし、その時に帯同するか単身赴任してもらうかも決めていませんが、今は札幌での暮らしをめいっぱい楽しみたいと思っています。

CASE③ 推しへの愛は海を越える 独身・Cさん

Cさん(30歳)
居住地:札幌
家族構成:【独身】父、母、犬(実家暮らし)

── Cさんは某アーティストの大ファンですよね。イベントの開催制限が緩和されたこともあって、推し活(※)を本格的に再開するのでは?

※「推し」とは、自分にとってイチオシの人のこと。そんな推しに情熱を注ぐ活動のことを「推し活」と言います。
(引用:推し活とは? 意味と具体的な活動の例を解説

この2年間、配信ライブなどはありましたが、なかなかリアルで会える機会がなくて……。今年になって有観客の全国ツアーが発表されて、やっと会える!とワクワクしています。

── 北海道に推しが来ることは多いですか?

いいえ、私の推しはなかなか北海道には来ないですね。もちろん来るとなったら全力でチケットを獲りますが、首都圏に遠征することの方が多いです。推し活ってとにかくお金と時間がかかるんです。地方暮らしの宿命ですね。

── 北海道からの移動手段は、基本的には飛行機ですよね。

そうです。遠征はほぼ100%飛行機での移動になりますね。

── Cさんの遠征はどんなスケジュールですか?

まずは公演が発表されたらチケットを申し込みます。私は水曜日の公演の当選確率が高い「水曜ジンクス」があるので、まずはその日程で抽選に申し込み、当落日までひたすら祈ります。
無事にチケットがとれたら、飛行機をとります。北海道からは、どこに行くにしても飛行機の本数が多いので、直前の予約でも大丈夫ですね。あとは会社のGoogleカレンダーに有休休暇の予定を入れ、勤怠も忘れずに申請しておきます。

── お金はどれくらいかかりますか?

例えば東京のコンサート1公演に参加する場合、往復の航空運賃が40,000円を超えるくらいです。公演後に宿泊するホテル代15,000円程度、あとは食事代や空港までの交通費、現場でグッズを買ったり、CDを予約したりすると特典がついてくるのでそれは時と場合により……というところでしょうか。
飛行機はLCCならもっと安いけど、欠航になった場合の代替手段や、搭乗ゲートまでの遠さを考えると、私はANAやJALを使っちゃいます。あと、私は当日入りすることがほとんどですが、前入りする人もいます。そうなると宿泊費がかさみますね。東京の友人の家に泊めてもらうこともありますが、毎回というわけにはいかないので……。

── 1度の遠征で60,000円以上かかりそう。お財布に負担ですね……。

しかも、1度の遠征で満足できるかというと、なかなかそういうわけには……(笑)。
推しのライブに何回も通う人は1ヵ月に複数回遠征することもあります。推しが複数いるとそれだけ現場の数は増えますし。
私は1ヶ月で4回ライブに行ったことがあります。ライブ以外だと、1週間くらい東京に泊まって毎日舞台を観に行ったりもしましたね。お金も時間もかかりますけど、何にも代えがたい至福のときでした……!

── 北海道に住んでいても、推し活は東京と変わらないように聞こえますね。

うーん、そこには大きな壁がある気がします……。
地方暮らしと都会暮らしの格差を感じるのは、小さいイベントのときですね。例えば、東京の小洒落たギャラリーでやるポップアップとか、映画に出演するときの舞台挨拶とか。あとは限られた店舗の店頭だけでやるグッズ販売とか。それだけのために毎回飛行機に乗るわけにはいかないので、「あぁ、東京に住んでいたら気軽に行けるのに……」と、都会が羨ましくなります。首都圏に住んでいれば、推し活にかかるお金も時間も小さくなるし、もっと濃い推し活ができるのになぁ……。

── 濃い推し活!パワーワードが飛び出しました。

これは地方オタクなら誰しもが思うことでしょうね。私の友人は首都圏に住んでいて、2か月後に札幌にUターンすることが決まっているのですが、地元に帰るまで全力で推し活に励むと言っていました。札幌では東京と同じような濃い推し活はもうできないからと。私もそう思います。これからも推しのために仕事を頑張ります!

CASE④ 都会では感じなかった「男余り」を実感 栃木・独身Dさん

Dさん(35歳)
居住地:栃木
家族構成:【独身】一人暮らし

── 東京から栃木に引っ越して半年が経ちましたね。生活スタイルや家計に変化はありましたか?

生活スタイルはあまり変わりませんね。栃木は車がないと何もできないのでマイカーは購入しました。東京に比べて家賃が減った分、車のローンや維持費がかかるので、家計も大して変化はありません。

── 地方は娯楽が少なそうですが。

僕の場合、娯楽と言えば飲みに行くことくらいなので、東京にいたときと変わりません。子どもがいれば休日に遊びに行く場所の選択肢が違ったりするんでしょうけど……。あえて東京と栃木の違いを探すとすれば、飲食店の価格が違うことくらいでしょうか。東京で5,000円くらいの飲み代が、栃木だと3,000円くらいだったりしますね。お店にもよりますけど。

── 休日の話が出ましたが、Dさんはどんな休日を過ごしていますか?

基本的には自宅でYouTubeを見たり本を読んだりしています。夜は飲みに行きますね。東京にいた頃と変わらない過ごし方をしていますが、最近はテーマを決めて栃木県内を観光することもあります。
人情味あふれる庶民的な旅館で、おかみさんやスタッフの方から地元の情報を仕入れるのが楽しいです。平日はリモート会議や、クライアントとの商談くらいしか人と接する機会がないので、地元の方との他愛もないやりとりに癒されますね

── というと、いまお付き合いや結婚を考えている方はいないのでしょうか。

いませんね。でも栃木に来てから、結婚っていいなぁと思う気持ちが大きくなった気がします。結婚したいと思える人と出会って、相手も同じ気持ちだったら結婚に至ると僕は考えていて、今もその気持ちは変わりませんが、最近はより結婚が身近に感じるようになったというか。でも、出会いがありませんね……。

── 東京ほどではないにせよ、栃木でも出会いはありそうですが……。

そうでもないです。栃木は「男余り」と言われていて、結婚適齢期の男女比率が女性1人に対し男性1.5人というデータ(※)があります。日本で最も男性が余っている県です。

下野新聞 独身男性超過 全国1位 女性の1.5倍7万人 栃木県内30~44歳 20年国勢調査

理由はいろいろあるでしょうが、「北関東は製造業が多い→工場が多い→工場で働く人は男性が多い」という産業構造由来説の信ぴょう性が高いと思いますね。栃木の女性は高校卒業と同時に県外に出て、戻って来たくても仕事がなくて……ということで女性の転入数が低いそうです。

── 確かに、栃木同様男余りとされる富山、愛知、茨城、静岡も製造業が盛んですね。雇用の受け皿があるぶん、男性が転入しやすいのでしょう。適齢期の独身女性と出会うのも大変そうですね。

おっしゃる通り、栃木で出会うまでのハードルは高いかもしれません。でも、もしお付き合いする人がいたら、栃木はいい環境だと思います。東京はデートスポットが多すぎて毎回悩みそうですが、栃木は選択肢が限られているから、悩まなくて済みそうだなと(笑)。普段のデートは近場で飲むのが定番なので、気の合う方と栃木で出会えたら幸せです。


ひとくちに地方暮らしといっても、ライフスタイルは千差万別です。また、家庭環境や自分が大切にしたいことによって、必要になるお金も変わってきます。地方へのUIターン転職で生活がどのように変わるのか知りたい場合はぜひリージョンズにお問い合わせください。豊富なUIターン転職支援の実績から地方暮らしのリアルをお伝えします。

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