転職を考え始めたとき、エージェントに相談しようと思う人は多いのではないでしょうか。しかし相談のためだけに転職エージェントを利用していいものか、不安を感じる人もいることでしょう。
一般的にどの転職エージェントも「相談だけ」の利用を歓迎していますが、効果的な使い方にはコツがあります。自身のキャリア構築に役立つ効果的な活用方法を紹介します。
相談のためだけに転職エージェントを利用できる
結論からいうと、相談のためだけに利用することは「できます」。
転職相談は「いますぐに転職をしたい」という人だけが対象ではありません。具体的な転職活動をする前の段階でも「本当に転職すべきか」「自分に合う求人はあるか」など悩みはあるものです。そのような悩みも転職エージェントに相談できます。
また多くの転職エージェントは中長期的な転職支援を行っています。初回の相談から3年後や5年後に転職した、というケースも珍しくありません。もし〇年後に転職したいという計画がある場合、それを伝えたうえで相談すれば、実際に転職するまでにどのような準備をすればいいかなど適切なアドバイスを受けることができます。転職自体を迷っている場合もそれを伝えることで、相談の場が有意義なものとなるでしょう。
相談だけしたいと最初に伝えたら、その後の相談やサポートがぞんざいになってしまうのでは……と不安に思うかもしれませんが、心配ご無用です。
<コンサルタントより>
転職に関する相談だけという場合はむしろ歓迎ですね。
「すでに選考が進んでいる」「転職しなければならない」という状態で相談に来られた場合、選択肢が狭まることがあります。「まだ転職するかどうか迷っている」「まずは相談したい」というタイミングで、気軽に相談してもらう方がコンサルタントの立場としても、いろいろなオプションを提示できます。
まずは相談だけして、転職マーケットの情報や、ご自身のキャリアに関する客観的なアドバイスを受けたうえで、転職するかどうかを決めると良いでしょう。
転職エージェントに相談できる内容
エージェントに相談したい内容は一人ひとり異なるものです。求人の紹介など転職活動そのものの相談を受けるだけでなく、働き方や、時には相談者のプライベートも含めた人生についての話をすることもあります。
転職市場や企業に関する情報
日ごろから数多くの企業と関わっているエージェントは市場感に詳しいため、自分ひとりでは調べきれない情報を得ることができます。さらに市場と企業に深く入り込んでいるコンサルタントは、経営者と日々やり取りを行うことで得た「生の情報」を持っています。そういった鮮度の高いリアルな情報を知りたいという相談は、より歓迎されることでしょう。
転職活動の実践的なアドバイス
履歴書・職務経歴書の書き方、面接を受ける際のふるまい方など、実践的なアドバイスがほしいという相談も多いものです。エージェントは過去の事例をふまえた具体的なアドバイスをしてくれます。しかしその前に、あなた自身を理解してもらうことが重要です。そうすれば、その後の転職活動のステップごとに、あなたに合った的確なアドバイスを得ることができます。最初の相談においては、コンサルタントとの信頼関係を構築することを重視するとよいでしょう。
面接対策に関する情報
エージェントは一般的な面接対策のいろはを持っていることはもちろん、応募企業ごとの面接に関する情報を把握しています。その企業独自の面接の雰囲気や質問内容などは、自分ひとりでは得られない貴重な情報です。また実際に選考が進んだ場合、面接後にエージェントを通して企業からのフィードバックをもらえることもあります。
退職交渉について
晴れて内定を得て転職活動の終わりが見えてきたとしても、退職交渉というハードルが待っています。そんなときもエージェントに相談してください。多くの転職を支援してきたエージェントが、スムーズに退職交渉を進めるためのアドバイスをしてくれます。きっと心強い味方になってくれることでしょう。
転職エージェントに相談するメリット
「相談」はエージェントが得意とする転職支援サービスのひとつです。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
無料で相談できる
一般的な転職エージェントは無料で利用することができます。多くの転職エージェントは人材を企業に紹介し、その対価として企業から手数料を受け取るビジネスモデルで利益を出す仕組みのため、転職希望者が利用料金を払うことはありません。
しかし近年では、転職希望者から利用料金を受け取ってキャリアコンサルティングサービスを提供する会社も増えています。一般的な転職エージェントとはサービスの内容が異なる場合もあるため、自分が利用しようと考えている会社やサービスについてよく確認してから相談を申し込みましょう。
客観的なアドバイスを受けられる
エージェントは数多くの転職相談を受けてきた、いわば転職のプロです。転職やキャリア形成支援に知見を持つコンサルタントが、「自分の経験を活かせる仕事は何か」「思い描くキャリアプランをかなえるにはどうすればいいか」などの相談にアドバイスを行います。客観的な視点からフィードバックを受けることで、あなたの自己理解が深まることでしょう。
膨大な数の求人から自分にマッチするものを選んでもらえる
転職市場には膨大な量の求人があります。その中から自分に合う求人を探すことは容易ではありません。転職エージェントに相談し、あなたの経歴や強み、転職における希望条件などを理解してもらうことで、マッチした求人を紹介してもらえる可能性が高まります。
またリージョンズの場合、サイトに掲載していない非公開求人は、全体の約8割近くを占めます。そのような求人の情報は、転職エージェントに相談しなければ得ることはできません。コンフィデンシャルな案件との出会いはエージェントならではのメリットです。
オーダーメイド求人の提案があることも
転職エージェントに相談する最大のメリットは、オーダーメイド求人に出会える可能性があることです。
経営の根幹に関わる求人は、経営者の頭の中だけにあることが多くあります。まだ「求人」という形にさえなっておらず、会社の「方針」や「展望」という言葉の奥に潜んでいるこがあります。そこにマッチする人材が現れて初めて、求人として顕在化するポジションです。
転職希望者と会話する中で、「経営者と気が合いそうだな」「あの事業を拡大させられるのはこういう人材だな」と感じたときに、経営者に求人の可能性を持ちかけます。このようなマッチングができる転職エージェントは多くはありませんが、このスタイルを得意としている会社もあります。
自分のキャリアの棚卸ができる
一般的に最初の相談の場ではヒアリングを行い、キャリアの棚卸をサポートします。その過程で、客観的に見たあなたの強みや市場価値が高い経験・スキルを伝えます。コンサルタントによる事実ベースでのアドバイスを得られることが、エージェントに相談する最大のメリットではないでしょうか。
あなたと同じような年齢、同じような経歴の方がどのような転職をしているのか。あなたの希望にマッチする求人はどれほどあるのか。データや経験を元に、具体的かつ現実的な話ができます。「今まで思ってもいなかったことが、実は強みだと知ることができた」ということもあります。
また、思い描くキャリアがすでにある場合は、どのようなステップを踏めばかなえることができるのかを一緒に考えます。その結果、「今は転職せずに、このまま頑張ろう」という結論に至ることもよくあります。そうなっても全く問題ありません。相談の目的は単に求人案件を紹介することではなく、コンサルタントという第三者の客観的意見を助けとして自己理解を深めることです。
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転職エージェントに相談する流れ
エージェントに相談だけしたいと考えた場合、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。
エージェントは専用サイトを持っていることが多いため、まずはそこから登録(エントリー)しましょう。その後エージェントから連絡が来るので、日程調整をして面談の場を設定します。相談したい内容は事前にまとめておきましょう。最近は対面での面談は減少し、オンライン面談が主流となっています。
詳しくはこちらもご覧ください。
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転職エージェントに相談する場合の注意点
転職エージェントは気軽に相談できる相手ではありますが、効果的に利用するにはいくつかの注意点があります。
転職支援に期限を設けているエージェントも
エージェントによっては、転職支援サービスを提供するサポート期間に制限を設けている場合があります。例えば、サービスに登録・相談してから半年以内に希望する求人が見つからない場合はサポートの延長を希望する、または再登録が必要になるといったケースです。このようなエージェントは「相談だけ」の利用には向きません。中長期での転職サポートを謳っている会社を探すなど、自分にとって適切なサービスを提供しているエージェントを選びましょう。
理想の転職時期を伝えておく
〇年後に転職したいなど理想の転職時期がある場合は、エージェントに伝えておきましょう。前もって伝えておくことで、時期が近づくと「そろそろ本腰を入れて活動すると良いタイミングですよ」といった連絡をもらえることがあります。またその時期が近づくまでは、担当のコンサルタントから情報提供が過剰に行われたり、必要以上に急かされたり……ということもなくなります。
エージェントの得意・不得意を調べる
転職エージェントは、有料職業紹介事業者として厚生労働省の認可制となっており、全国に約23,000事業所があります。なかには、業界や職種、エリアや年齢層など、特定分野に特化してサービスを行っている転職エージェントもあります。そのため、あなたの経験や希望、相談したい内容が、その転職エージェントの強みと異なってしまうと、相談しても適切なアドバイスを期待することはできません。また、得意分野から外れてしまうと、提案される求人数が極端に少なくなってしまいます。
登録する前に各社のホームページ等もしっかりと確認し、得意分野や特徴を把握しておくと良いでしょう。複数のエージェントに登録して相談することも有効です。
最終的な決定は自分の意志で
エージェントはあなたが相談したいことに応じて様々な情報を提供します。転職する・しないに関わらず、あなたが最良の意思決定をするために、たくさんの材料を提示してくれるでしょう。そのように親身な対応を受けると、判断に迷う局面で「コンサルタントがこう言っていたから」と流されそうになるかもしれません。しかしどんなに信頼できるコンサルタントがいたとしても、自分の人生を決められるのは自分しかいないのです。自分が大切にしたい価値観や軸をきちんと理解していれば、後悔しない意思決定ができます。そのような「自分の人生にとって大切なこと」の相談ができるコンサルタントと出会えたら、あなたのキャリアはより良いものとなるでしょう。
相談だけでも積極的に活用しよう
多くの転職エージェントは相談だけの利用も対応しています。リージョンズも「まずは相談だけしたい」ということでご登録いただく方が多いです。転職を考えている場合はもちろん、キャリアの棚卸をしたいといった自己理解を深める目的でもぜひご相談ください。
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