リージョンズのキャリアコンサルタントとして、毎年およそ100人の転職に関する悩みをお聞きし、それぞれに合う転職先をご紹介してきました。立場上、どうしてもキャリアに関してアドバイスすることが多いのですが、常々、みなさんの心の声が聞こえてくるような気がしています。
「そういうお前はどうなんだ」と。
そこで今回はこんな私が転職するとしたら、どうするか? 転職できるのか?について考えてみたいと思います。
37歳・キャリアコンサルタント歴10年、そんな私の「セルフキャリアコンサルティング」にお付き合いください。
30代は転職のタイミングとしては最高(なはず)
30代は働き盛り、脂がのったちょうどよいお年頃です。
ビジネス経験も10年~20年くらいで、即戦力。
中堅社員として、企業にとっては稼ぎ頭。
費用対効果が抜群に高く、引く手あまたで、どの企業からも内定が得られて選び放題。
ということは、私(37歳)も転職は楽勝なのでしょう。
はて、本当か? 冷静になって考えてみたいと思います。
キャリア支援でお金は稼げない
まずは私たちが普段やっている、キャリア支援のノウハウを活かせる転職先を見つけていきましょう。
こんなことを言うのも何ですが、キャリアコンサルタントは潰しが効かない仕事です。
正直、他の業種では、まったく活かせない知識や経験のオンパレードです(笑)
そもそも個人のキャリアという分野でちゃんと稼げている人は、日本にほとんどいません。
私たちもキャリアに関する仕事ではありますが、お金をいただいているのは採用する企業からであって、 個人からお金をいただくことはありません。
つまり、キャリアコンサルタントはボランティアで、企業に向けた採用コンサルタントが本業なわけです。
きっと皆さんの周りでも、個人としてお金を払っている「お抱えのキャリアコンサルタントがいます!」 という人はいないと思います。
というわけで、キャリアという分野で食べていくのはとてもハードルが高く、無理っぽいことが分かりました。
企業の人事でなら、いけるかも
では、本業の採用コンサルタントの経験を活かして、企業の人事としてなら転職ができるのではないか。
これは何とも言えないのですが、大企業ならともかく中小企業においては「採用だけ」しかできないと、敬遠されることが多いように思います。
採用は人事の一つの機能にすぎず、労務、育成、評価、制度構築などやることがたくさんあります。
特に中小企業であれば、それらをすべて一人でやっているなんてこともざらにあります。
ゆえに、採用しかできないと「ちょっと即戦力ではないね」という評価になりがちです。
それでは大企業であれば、人事部にもたくさん人がいて職務分掌もはっきりしているはず。
採用のスペシャリストも一人くらいいてもよいだろう。
しかし、私が住んでいるのは地方。
そこに、大きな問題があります。
人事部があるのは、たいてい本社なのです。大企業の本社というものは、たいてい東京にあります。
そうです。地元企業に大企業はほぼないと言っても過言ではないでしょう。
あれ、雲行きが怪しくなってきましたね。
もしや、私は転職できないのではないか、市場価値がないのではないか……。
転職で活かせる知識も経験もない。さあどうする。
一般に30代は引く手あまたのはずですが、私の経験は他社で役に立たないことが多いようです。
万事休すかという状況ですが、そんな私にも、15年間仕事をしてきて、少し得られたものがあります。
「人脈」です。
「コネで入社するなんてダサい」と考える人もいるかもしれませんが、声を大にして言います。
「人脈」は大切です。
政治でもビジネスでも、トップに近い人ほど、人脈だけを強みに活躍している人がたくさんいます。
これは転職においても同様で、ある意味「最強のツール」と言えるでしょう。
「人脈」をフル活用して転職する
30代になると、職種に関わらず、社内だけでなく社外とのつながりを持つことが多くなってきます。
そこで多くの人と出会い、関係性を深めていく。それこそが最大の資産であり、強みになるのです。
わたしも仕事を通じて、幸いにも、社外にたくさんの知り合いができました。
いざとなったら、懇意にしている社長たちに「私を採用してください!」と頭を下げれば、1人か2人くらいは「じゃあ、採用してあげるよ」 と言ってくれる気がします(そう信じたい)。
私は転職するのであれば、何の躊躇いもなく、これまで築いた人脈をフル活用して、転職先を見つけます!
意地もプライドもポイっと捨ててしまえばいいのです。
結論としては、「私も何とか転職ができる!(コネで)」です(笑)
以上、他社で活かせる経験も知識もない、転職コンサルである私が転職するとしたらどうするか? 転職できるのか?でした。