転職活動をするうえで、避けては通れない存在となった転職エージェント。
転職エージェントのコンサルタントとの面談は、転職希望者の経歴を把握し希望に沿う求人を紹介するための「ただのヒアリング」と思われがちですが、実は転職活動において非常に重要なステップです。ここで担当コンサルタントをやる気にさせることができれば、転職成功が一気に近づきます。
この記事では、転職エージェントのサポートをフル活用するために、面談でコンサルタントのやる気を引き出す5つのポイントをお伝えします。
なぜ面談が重要なのか
転職エージェントのコンサルタントは、すべての人に幸せな転職を実現してほしいと思っています。しかし転職支援はビジネスであり、一人の転職希望者にすべての時間を費やすことはできません。そのため、自然と優先順位をつけて仕事をすることになります。
同じエージェントという呼び名でも、プロ選手と転職では違う意味をもちます。プロ選手のエージェントは「選手のために」チームやスポンサーとの交渉を行いますが、転職のエージェントは「転職希望者と企業、両方のために」間に立って繋ぐ役割を担います。
転職は、しばしば結婚にたとえられます。
やる気のある仲人はいい人を紹介してくれます。転職においては、仲人であるコンサルタントにいい求人を紹介してもらうためにも、良い関係性を築き、自分の優先順位を上げてもらいたいもの。そのためには初回の面談でコンサルタントのやる気を引き出すことが大切です。
では、どんなことを心がけたら良いのでしょうか。5つのポイントをお伝えします。
その①書類はしっかり準備しよう
遅くとも初回面談の前日までには履歴書・職務経歴書を提出しましょう。
コンサルタントはそれらの情報から、経験してきた業界、仕事、取り組み、成果を把握した状態で面談に臨みます。また、マッチする求人を事前に探し、面談中に紹介することもあります。
気をつけたいのは、「時間がない」「書き方がわからない」などの理由でクオリティがおざなりになることです。ただの箇条書き、体裁が整えられていない、表現がわかりづらい書類は読み手への配慮に欠ける印象になります。
いわば書類はあなたの名刺がわりになるものです。「自分はこういう者です」と正しく伝えられるように、読み手を意識した書類作成を心がけましょう。
書類があれば、しっかりと読み込んだうえで求人を探し、「あの企業に合いそうだな」「こういうキャリアの可能性がありそうだな」と考える時間がとれます。転職はまだ先という方でも、経験や強みの整理、今後のキャリアのアドバイスに面談の時間を使うことができます。
書類を作るのは面倒かもしれませんが、1回作ってしまえば複数のエージェントで使えますので、早めの準備をおすすめします。(コンサルタントの声)
転職に興味はあるけれど、まだ実際に活動するほどではないという場合、エージェント各社で開催されているセミナーに参加したり、転職に関する動画を見たりといった気軽な情報収集がおすすめです。
情報を集めるうちに、「自分の市場価値を知りたい」「自分にはどんなキャリアの可能性があるか相談したい」という気持ちが湧いてくるかもしれません。個別具体的な相談をしたくなったらエージェントに面談を申し込むとよいでしょう。
その②レスポンスは早くしよう
「急いで話したいことがあり電話したのに、折返しが来ない……」
「”今日中に求人票を送りますね!”って言われたのに、3日後に届いた……」
コンサルタントにそんな対応をされたらがっかりしますよね。逆の立場でも同じです。
人は誰しも、想定より早くレスポンスをもらうと嬉しいものです。面談前後に限らず、転職活動においては、なるべく早めに連絡を返すことを心がけましょう。レスポンスを早くすることで、転職エージェントのやる気も自然とあがるものです。
また、すぐに返事ができない場合もメールを確認した段階で「メール確認しました、〇日までに連絡します」と送っておくと、ホスピタリティが高い人という印象になります。
ご希望にぴったりの求人が出てくると、早くお伝えしたい!と、勢いあまって電話してしまうことがあります。その日のうちに応募の意思をいただいてトントン拍子で選考が進み、ライバル不在のままスピード内定なんてことも。
コンサルタントから連絡がくると億劫に感じるかもしれませんが、とくに電話の場合はいい知らせも多いので、ぜひ早めにレスポンスをしてくださいね。(コンサルタントの声)
その③本音で話そう
「コンサルタントにどこまで本音を話していいものか」と悩む人がいます。
面談の場では、すべて本音で、正直に話して問題ありません。初対面の人間にあれこれ話すのは抵抗があると思いますが、コンサルタントにとってはありがたいものです。
コンサルタントは、給与など条件面の希望のみヒアリングするのではなく、あなたの価値観、人生でかなえたいことまで理解したうえで、本当に合う企業や求人を提案すべきと考えています。それゆえ、あなたのことをきちんと理解しなければ、個別具体的なアドバイスはできません。
実際に、その方の状況や悩みによってアドバイスの内容は千差万別です。求人の紹介など転職活動そのもののサポートをするだけでなく、働き方や、時には育児や介護などプライベートなご事情を踏まえたアドバイスをすることもあります。
「そんなことまで聞くの?」と思うかもしれませんが、面談ではぜひ、本音で、思っていることを話してください。
ただし、本音で話そうとするあまり、友人や家族と会話する感覚で愚痴や他責な発言をしてしまうことは避けましょう。コンサルタントはキャリアパートナーになる存在ですから、ネガティブなことは伝え方に気をつけると良いかもしれません。
安心して言いにくいことも話していただければ、色々なご事情をふまえたうえでアドバイスをすることができます。(コンサルタントの声)
そのようなエージェントとは早めに縁を切りましょう。サービスを停止したいと伝えるだけで結構です。
あなたときちんと向き合ってくれるエージェントに、あなたの貴重な時間を使ってください。
その④協力的な姿勢を見せよう
あなたが「協力したい」と思うのはどんな人でしょう。一生懸命な人、気遣ってくれる人などあると思いますが、「協力してくれる人」には、自分も同じように協力してあげたいと思うのではないでしょうか。
コンサルタントも同じで、協力的な人と面談すると嬉しくなり、自分にできることは何でもしたいとやる気が出るものです。
では、面談に協力的な姿勢とはどのようなものでしょうか。
・期日までに書類を提出する
・約束の時間に遅れそうなときは事前に連絡を入れる
・希望する企業や業界について自分なりに調べた上で面談に臨む
・面談中、要点をメモする
・質問にホスピタリティをもって答える
どれも当たり前のことに思えるかもしれませんが、コンサルタントにとっては「面談をいい時間にしよう」という気持ちが感じられて嬉しいものです。
反対に、コンサルタントがやる気を失ってしまう言動も確認しておきましょう。
・求人だけ紹介してくれればいいと発言する
・何かを食べながら・寝転がって電話面談する
・無断キャンセルとリスケを繰り返す
どれも転職の意欲どころか最低限のマナーが疑われるような言動です。この記事を読んでいる方は問題ないと思いますが、くれぐれも気を抜かずに面談に臨みましょう。
面談に協力的な方は信頼感が増します。自信を持って「いい方ですよ」と企業に紹介できますね。その方に合う求人を一生懸命探して、いろいろ提案したくなります。
また転職希望者の協力なくして良い転職はあり得ません。転職コンサルタントは最大限努力しますが、実際に転職するのは転職希望者自身です。転職希望者の協力が得られないと、私たちも正直虚しい気持ちになってしまいます。(コンサルタントの声)
その⑤謙虚になろう
上場企業の役員のような、いわゆる「ハイキャリアの人」ほど、偉そうな言動をしないものです。相手の言葉に上下の区別なく耳を傾け、周囲をよく見て気配りをし、恩を受けたら感謝の気持ちを表す……そんな人だからこそ社会的にも良い人間関係を築き、ますます尊敬を集めるのでしょう。
ある程度の経験があるコンサルタントは、そんな「ハイキャリアの人」たちのキャリアサポートも行いますが、口を揃えて“こちらが恐縮してしまうくらい謙虚”だと言います。
転職だけでなく人生の様々な場面において、謙虚でいて損をすることはありません。ましてや転職成功の先には、新天地で「新人」として周囲に教えを請う立場になるわけです。転職活動においても謙虚な姿勢を忘れないようにしましょう。
私たちも転職に関わるプロフェッショナルとして、相談をしてくださる方の期待に応えられるよう日々情報収集や技術の向上に励んでいます。
転職成功後も定期的にキャリアについて相談をしてくださる方や、転職のご支援がかなわなくても仕事やプライベートで長くお付き合いしている方もいらっしゃいます。単なる紹介業者ではなく、キャリアパートナーとして対等に見てくれているのかなと嬉しくなりますね。(コンサルタントの声)
まとめ
今回は、面談でコンサルタントのやる気を引き出すポイントをお伝えしました。
社会人として最低限のマナーを守りさえすれば無碍にされることはありません。「私はあなたをキャリアパートナーとして見ていますよ」という姿勢で向き合うことで、自ずといい関係が築けるでしょう。
リージョンズでは、北海道・宮城・栃木・茨城における転職について個別具体的なアドバイスを行っています。地元で自分の経験を活かしたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。