北海道・宮城・栃木で比較!30代・40代ITエンジニアの地方転職事情

転職市場では引く手数多のITエンジニア。経済産業省の調査(※1)でも「IT人材は不足しており、将来的にも人材の不足は進む」と推定しています。

ITエンジニアは「転職先には困らない」と言われていますが、地方転職の場合も本当にそうなのでしょうか。実際にITエンジニアの転職支援を行っている北海道・宮城・栃木のコンサルタントに地域事情を聞きました。
(※1)平成 30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 – IT 人材需給に関する調査
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

北海道・宮城・栃木でニーズが強いIT職種は?

佐藤
本日は、北海道・宮城・栃木におけるITエンジニアの転職事情をセキララに語りたいと思います!
まずは北海道でIT業界を担当している荻野さん、どうですか?かなり需要がありそうですが。

佐藤 照昭(Sato Teruaki)

栃木県宇都宮市在住。2009年、リージョンズに入社。北海道本社勤務を経て、2012年、北関東カンパニー拠点を立ち上げる。コンサルタントとして採用支援/転職支援の両面に携わっている。

荻野

市場全体なら20代のITエンジニアはどんなキャリアでもニーズは強いと思いますね。
弊社がメインで転職支援を行っている30代・40代だと、札幌ではプレイングマネージャーの需要が高いですね。反対にちょっと厳しいのは、いわゆる手を動かしてコードを書いた経験が少ないエンジニア。マネジメント特化型のキャリアを積んでこられた方がいざ転職しようとすると、苦戦する傾向があります。

荻野 智史(Ogino Satoshi)

北海道札幌市在住。2014年、日本キャリア開発協会認定CDA(career development adviser)を取得。同年、妻の地元北海道・札幌へUターン。リージョンズに入社し、コンサルティング業務に従事している。

佐藤
なるほど、手を動かせるかどうかがポイントになるんですね。
宮城はどうですか、手を動かせないITエンジニアはやっぱり厳しいですか?
菅原

宮城でも同じですね。例えば、プロジェクトマネジメント(PM)の経験だけ積んでこられた方が首都圏で1000万の年収を得られていると仮定します。その方が宮城にUターン転職をした場合、全く同じ仕事をして1000万を得るのはちょっと難しいかもしれません。

菅原 大(Sugawara Dai)

宮城県仙台市在住。2013年、リージョンズに入社。入社後は東北カンパニーだけではなく、札幌本社・宇都宮拠点での業務も経験し、2015年より仙台にてコンサルティング業務に従事している。

佐藤
なかなか厳しい……。ちなみに、仙台のIT業界ってどんな感じですか?地域性がありそうです。
菅原

「まんべんなく全部ある」というのが仙台のIT業界の特徴です。仙台は支店経済と言われるように大手企業の支店が多くありますし、Web系のシステム会社やSIerもたくさんあります。
工場をもつメーカーでは組み込み系や社内SEのニーズも強いですね。そのため、腕に自信がある方ならスムーズに転職できると思います。

佐藤

なるほど。仙台ならではですね。

栃木の特徴としては、SIerが少ないんですよ。ITエンジニアの転職を支援する場合、ほとんどがメーカーの社内SEに転職されています。

菅原

栃木もPMの経験だけを積んでこられた方は難しいですか?社内SEだとそうでもないんでしょうか。

佐藤
その会社の方針によりますね。開発は外部のベンダーに任せる会社であれば、むしろPMの経験やベンダーコントロールのスキルを活かして転職できたりします。
荻野

栃木はメーカーが多いですもんね。地域性ですね~

企業のDX化に伴い社内SEの需要が増加

佐藤
社内SEの話が出ましたが、「いま社内SEをやっているエンジニア」の転職ってどうですか?
菅原
社内SE経験者のニーズは高まっています。宮城では「DXに取り組みたいから新たに社内SEを採用したい」という企業が増えていますね。
荻野
北海道でもDXを推進できる社内SEを採用したいという声は増えていますね。やはり、社内SEでもある程度は手を動かした経験があることが前提ですが。
菅原
その点、宮城はけっこう会社によります。サーバーサイドまで全部わかるエンジニアを求める会社もあれば、キッティングやヘルプデスクを任せたいからある程度の経験があればOKという会社もあります。
荻野

そうですね、会社によって求めるスキルは異なります。
北海道はここ一年くらいで社内SEのニーズはすごく増えましたし、まさにDX推進という名前がついた社内SEの求人もあります。

佐藤
やはりトレンドはDXですね!

トレンドはDX推進 リーダーを担えるIT人材

佐藤
北海道ではここ一年くらいで社内SEのニーズが増えたということですが、急激に状況が変わっていると思うことはありますか?
荻野
「SIerにいるけどDXをやりたいから社内SEに転身したい」という転職希望者からの問い合わせがすごく増えています。
佐藤
なるほど。社内SEになりたい動機が変わってきていますね。
荻野
そうですね。以前は社内SEに対して「仕事が楽そう」というイメージをもつ転職希望者もいましたが、今は全然いません。アグレッシブにDXをやりたいから社内SEになりたいという方がほとんどです。宮城はどうですか?
菅原
宮城も転職希望者からの問い合わせが増えています。「システムを最適化することで業務を改善する旗振り役として自分の経験を活かしたいんだけど、そういう求人はありますか」という、CIOのイメージでしょうか。
荻野
最近はDX戦略がゴールになりかけている感じもしますが、やっぱりITエンジニアは作り込みが好きな方や、システム自体が好きっていう方が多いんですよね。
佐藤

そこにやりがいを感じて燃えるエンジニアは多いですよね。
先日、大手企業の社内SEの方から相談を受けたんです。工場のIoT化やAIを取り入れたプロジェクトにすごくやりがいを感じていたけど、プロジェクトが道半ばで終わることになって。でも本当にやりたいから、DXができるポジションがあれば転職したいと。

菅原
どういうプロジェクトに参画できるかっていうのもITエンジニアにとって重要になっていると感じますね。

技術を磨き続ければ、納得できるUターン転職がかなう

佐藤
最後に、それぞれの地域の市場感について教えてください。
荻野

北海道は天災リスクと人件費の関係でニアショア開発の拠点になりやすくて、SIerの数がとても多いです。でも多いからといって誰でも転職できるわけじゃなくて、先ほどお話しした経験や能力がないと難しい。東京に比べると給与も落ちるのが現状です。
ただ、最近は東京以上の給与や待遇を備える会社も増えているので、北海道のIT業界に転職を考えている方はぜひ一度相談に来てほしいです。

佐藤
会社によって給与は全然違いますよね。
荻野
自社製品をもっている札幌の大手IT企業で年収1200万円という求人もありますよ。
佐藤
いいですね、希望がもてますね。宮城はどうですか?
菅原

宮城は楽天をはじめとした有名企業や、大手冠系SIerといった大きな会社の支店が多いです。首都圏レベルの技術力を求められるので、スキルを見る目は厳しいですね。
給与水準も、首都圏以上の給与を得られる会社もあれば、ガクンと落ちる会社もあります。会社によって全然違いますので、転職希望者にはそのあたりの状況も丁寧に説明するようにしています。

佐藤
共通して言えることは、首都圏と地方では求められるスキルが違うので、若いうちから意識してキャリアを構築していくのが大切ということですね。
荻野
そうですね、20代で手を動かす仕事から離れたら危険信号です。技術を磨き続ければ、仕事も待遇も水準を落とさないUターン転職ができますよ!